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千葉県我孫子市で67年 木綿ワタでふとんを作っています。

〒270-1152千葉県我孫子市寿2-2-14     TEL.04-7182-0810
メール wata.huton@gmail.com 
メールには必ず返信しています。一日過ぎても返信が無い場合はお電話下さい。

ふとん屋の日記

仕事で出会うさまざまを書きとめます


    ワタについてお客様から聞いた話
 80代のお客様がワタをみてこんな話をしてくれました。
里は取手の戸頭。子供の頃、母親がワタを作り秋に収穫して、ワタ繰りをして、紺屋に持って行って、反物に替えた。
それほど広い畑ではなかった。母親に付いて行っただけなので詳しい事はわからない。
 どの位の量と交換だったのでしょうか。興味が尽きません。
 

  おかあさんのうた  サトウハチロー







おかあさんの匂い

おかあさんの匂いは どんな どんな匂い
   ―  朝はかまどの    けむりの匂い
      昼はおべんとの    おかずの匂い
      晩にはかすかな   おふろの匂い
   
おかあさんの匂いは どんな どんな匂い
   ―  春はうれしい    ちょうじの匂い
      秋はやさしい    もくせいの匂い
      冬はひなたの    ふとんの匂い

おかあさんの匂いは どんな どんな匂い
 ― ひざにだかれりゃ  くず湯の匂い
   おはなしなされば  おも湯の匂い
   うたをうたえば   レモンの匂い
    
友人がメールで詩を送ってくれました。
詩の『
 冬はひなたの ふとんの匂い』の行にすぐに目がとまりました。
冬の代表的な匂いにあげられている事がうれしい。
当然木綿ワタのふとん。
短い文章では書ききれない、思いが湧きました。
この詩を書いてくれた、サトウハチローありがとう。 
それからメールをありがとう。

注  ちょうじ・・・・・ジンチョウゲの俗称
写真説明

第二回我孫子まちゼミに参加しています。H29年6月
ふとんの材料のワタを自分で育ててみてください。
苗をプレゼントします。
花は黄色、実は緑、割れると白い繊維が出てきます。不思議な植物です。
ぜひぜひご参加ください。

まだ空きがあります。
駐車場はお電話ください。

店内を夏に衣替えしました。
白い花を中心に絵を入れ替えました。
座って眺めていると作者の意図なども思われて飽きません。
散歩ついでのお立ち寄りを期待しているのですが、なかなかそのようなお客様が現れません。時々お越しのお客様が絵が変わった事に気づいてくれます。

NHKの大河ドラマでワタ栽培の話が出てきました。H29年4月23日
画面いっぱいに綿の種・収穫したてのワタ・織った反物が登場。左の場面に3つが写り込んでいます。
和綿の種・ワタの山は見事な小道具でした。ただ反物は二つ折りになっているようで気になりました。
光の当たらない部分が注目され、ワタの過去の栄光の一端が知られた意義は大きい。
過去の日本ではワタは栽培されていたのです。
登場人物は麻か絹を着ていたはずなので、時代劇は
時代考証が困難な時代になってきた気がします。

    店内を春に衣替えしました。
桜の絵を中心に春の絵を並べました。
季節の移ろいは早く、展示が付いていけません。
作者が春の作品を多く残しているためです。

   TBSラジオがお店にやってきた。
元ウルトラマンのアラシ隊員の毒蝮三太夫さんがにぎやかにお店に来てくれました。
創業以来初めての人出。
『毒舌が売り物』と世間では言われていますが、実は大変細やかな方。
 放送後大変ご丁寧なご礼状をいただきました。

   『名月の花かと見えて棉畑』松尾芭蕉
9月の満月の頃本当にワタがはじけています。
ワタと月を写真におさめたいと思っているのですが、2年連続で曇り空。次回こそと構想を練っています。

    まちゼミに参加させてもらいました。
特別に天王台のまちゼミに参加させていただきました。お客様にお店と店主を知っていただくのにはとても良い取り組みです。先行する岡崎市から講師が見えてノウハウの伝授がされます。それも大切なのですが、同じ商業者同士の意見交換会がとても役に立ちます。個人事業は孤独との戦いでもありますので、ちょっと他の行事では味わえない連帯感も生まれます。

当店のゼミの告知です。タイトルがお客様に受けなかったのか、予約に苦戦、お客様の都合に合わないと来店していただけそうに有りません。次回は工夫が必要。

若いお母さんにお声掛けしたら、お子様とゼミを受けていただけました。初めてみる機械にびっくり。
ちょっとしたワンダーランドだったみたいで、喜んでいただけました。
お土産はふわふわのワタ。
次回はこの辺をアピールしたいと思います。

    店内に絵を飾りました。季節により変えますのでお立ち寄りください。

    織り・染め共に自作の風呂敷?
小幅の布を4枚縫い合わせた165センチの風呂敷です。
角には家紋が染め抜かれています。大切な物を包んだのでしょう。太い黒の木綿糸できちんと縫い上げてあります。
 機械織りの広幅の風呂敷は目にしますが、このような物は目にした事がありません。四布と書き『よの』と読みます。

20年以上自家栽培を続けてきた米綿に有色の物が出現しました。
自家栽培を続けると劣性の遺伝情報が出てくるのでしょうか。400年程の日本のワタ栽培の歴史を考えると、先人の苦労が思われます。多分日本に適した、関西から関東に栽培が伝播する時にも品種の改良はされてきたのでしょう。だれがどんなふうにしてきたのでしょうか。


    沢山の種をお送りいただきました。
私の夢夢夢プロジェクトの種不足を心配いただき、収穫したワタの種をお送りいただきました。ありがたい事でビックリ。
こんなことも起こるうれしい企画です。
これで少し多めにお送りできます。

    ワタの花の絵の写真を送っていただきました
ワタの種をご希望でお送りしましたところ、花の絵とワタの実の絵をおかきになったとのこと。写真をいただきました。
黄色いワタの花と白いワタのかたまりは絵心を刺激したようで、うれしい事です。

2015年11月10日午後8時 当家のHPへ1時間のアクセス数が2000件

 テレビ東京の番組で「店にほとんどお客さんが来ないのに潰れない布団屋さんに密着24時」というコピーで番組が放送されたようです。   失礼な話。そのため当家のHPへのアクセスも増えたようです。
早速動画サイトで見てみました。・・・・なるほど。
 細かい処で気になるところがありました。一番は打ち直しのところ、
お預かりしたワタだけで直してもまた同じようになってしまいます。
ここは少しでも新しワタを加えたいところで、それをするとさらにワタの良さが実感できます。(当家ならこうします)
 ふとん屋と一口にくくられますが細かい処でずいぶん違いがある事が改めて良くわかりました。

    保育園のお昼ねふとん

我孫子市の保育園ではうれしい事に ワタのふとんを使う事をお勧めしてくれます。園に持ち込まれるいろいろなふとんを見比べているから、先生方にはワタのふとんの良さがわかるのでしょう。
当店の保育園用ふとん
サイズは敷きが 90×135センチ
掛けが110×135です。
敷きだけのご注文もお受けします。
敷き12800円
掛け 8000円

岡山の倉敷で『かいまき』を見つけました。
関西では江戸時代から使われることのなかった 『かいまき』、息子と旅行中に見つけてしまいました。
場所は兵庫県倉敷市美観地区の商家の展示品の中です。
正絹の生地にワタをやや薄めに入れてあります。それほど古いものではなく、昭和の初めの頃の物のように見ました。残念ながら受付の方にお話しを聞いたのですが良く来歴などは解りませんでした。
青い生地ですからもしかするとお婿さんが持ち込んだものかもしれません。地元のふとん屋さんにはなかったはずですから。


  中学の教科書に寝具・ふとんはどのように扱われているのだろう



 家庭科の教科書にふとん・寝具はどのように記述・扱われていると思いますか。良く人生の1/3はふとんの中といわれます。寝具の基本的な事などが述べられているのだろう。とか勝手に盛り上がって、中学生からお借りして早速調べてみました。
その結果は・・・・・記述は0でした。
 寝具・ふとんなどの単語のさえありません。がっかり
ただ『共に住まう』の単元に家の間取りのイラストがあります、そこに和室があり押し入れにふとんが描かれています。また別にふとんに寝ているイラストがあります。また『災害への備え』のイラストになぜかふとんがベランダに干されています。それらのイラストの解説はありません。
生活のシンボルではあるけれど、教えることやアドバイスは何もない。
 ただ他業界ですが、和室と洋室の長所短所の記述の中に、畳について
『たたみの吸湿性や弾力性が素足の生活に合う』とあります。
ほんの少しだけ、畳屋さんがうらやましくなりました。
寝具・ふとん業界の皆様
教科書に載せてもらうとしたらどんな内容がふさわしいと考えるでしょうか
私的には
@ふとんは管理が必要です。陽に干しましょう。ひきっぱなしはだめです。
A日本の四季に合ったふとんを選びましょう。
B伝統的な綿ワタを見直しましょう。
以上です。

今年はワタの種が大人気

今年はなぜかワタの種をご希望になる方からの問い合わせが多くあります。特に遠方の方の希望があります。
例えば徳島県つるぎ町・兵庫県西宮市・京都府京丹後市・
兵庫県加古川市・愛知県小牧市・東京都町田市・茨城県などです。
地名を見ながらどんなところに播かれ、ワタが実るのだろうと想像するのは楽しい事です。毎年種が採れるので播き続けて子孫が少しでも増えればいいなと夢想しています。秋には両手にいっぱいのワタのかたまり。そして数年後には大物のふとん作りでも目指して欲しいと思っています。


学校の保健室のふとん

中心部分に古いワタが入っている。
しかも固く色も黒い
小学校の保健室のふとんの丸洗いの注文をいただきました。見た瞬間、『だめなふとん』とわかりました。
2枚の写真がその布団のワタの写真です。いくら洗っても元がだめ(ワタがだめ)なふとんではきれいにはなりません。
今年赴任された養護の先生と中身を見ながら相談の上、教頭先生に新しいものに変える許可を得ることにしました。備品関係は教頭先生が判断されて買われるのですが、一般的に長時間寝るわけではないので「安いふとんで充分」と考えられる事も多いようです。最近は保健室に長時間滞在させずに家に帰す。
 しかし体調が悪くなったのですから、少し保健室で休んで、元気になって欲しい所。保健室はいやされる空間であるとおもいます。
今回は教頭先生にも中身を見ていただき、納得して新しくする事にしました。
 昔はふとん屋が作るふとんしかなかったので、そんなに心配はなかったのですが、今 はうっかりすると中のワタなど何でもござれと、とんでもないものが売られています。
きちんと基本(中身のワタ)がしっかりした物で子供の休養をサポートしてほしいと思っています。思わずぐっすり寝てしまって、元気になってくれれば、ふとん屋としてこんなにうれしい事はありません。
 学校批判をしているわけではありません。家庭も同様で値段だけで購入するのは注意が必要です。
布団を処分する時、中身にどんなワタが使われているかを見ると、次回購入の参考になると思います。
 
落綿(紡績の時に機械の下に落ちたワタ)をウレタンを中心に巻いたもの。機械で入れたので平らに入っていない。真ん中がへこんでしまっている。

新しくした保健室のふとん





可愛い柄のカバーにきちんとした木綿ワタを入れました。こうすれば丸洗いも問題なくできます。保健室も先生の期待どおり明るくなりました。
10年は使えるでしょう。
写真左が古いもの、右が今回作った新しいものです。見ていただきたいのは左のピンクの布団。平らでなく、右が高くなり、ゆがんでいます。これでは快適に寝ることができません。敷布団は平らであることが必要です。

100年ふとん(柏・我孫子寝具組合が共同開発売り出し中の商品)
柏市広報番組『柏研Q所』で寝具組合で共同開発した100年ふとんが
取材を受けました。その後、静かな注目を浴びています。
これにより木綿ふとんが見直され、使う人が増えれば、使い捨ての安価なふとんが減り、ゴミ問題も軽減されるはずです。
ちなみに、 我孫子市のふとん屋さんでも売っています。

専門店に聞く  布団とワタの話
町づくり協議会の専門店に聞くという講座でお話をする機会を得ました。 一方的な話にならないように作業と考える時間を盛り込んだものにしました。秋に収穫したワタに触ってもらう。手でワタ繰りをしてもらう。そのワタを集めて風合いを楽しむ。ワタと布団の歴史をお話し。
ワタに関する浮世絵の謎解きを楽しむ。
 最後にだめな布団の見本を見ていただきながら、最近の布団についての質疑となりました。
 ホームページを作りながら集めた情報がこんなことで役立ちました。これからの商いはこんなことが大事になっていくと考えています。
実際のワタに触っているお客様ばかりでは無いので、布団の材料としてのワタの魅力をお伝えしないといけないと思っています。
左のポスターはけやきプラザの方が作ってくださいました。準備や手間をおかけくださりありがとうございました。

房総のむら もめん特別展 見学と体験
千葉県立房総のむらの特別展を見学してきました。お誘いをうけたこともありますが興味があったからです。
私にとって二つの重要な事がわかりました。
一つはワタの繊維を糸にする方法が体験できたこと。ワタの塊からどうやって糸にするのかがやっとわかり感動しました。
二つ目は千葉県内で江戸時代に広範囲にワタが栽培されていた事がはっきりわかりました。
厚めのカタログを買ってきて熟読しました。ごあいさつの冒頭が小説野菊の墓の一部であることが一層親しみが湧きました。
当然でしょうが知らない事だらけで、勉強になりました。
写真にリンクを付けましたのでぜひのぞいてみてください。
    和服のリホームです
45×45pの小座布団に加工しました。クッションとして利用していただいています。夏に使って気持ちのいい物になりました。触っていて暑苦しくなりません。ワタは新しいものを使いました。

綿繰機です.古道具屋さんが見つけてくれました。

お願いしておいた、まだ使えるものです。手で繰るより何倍ものスピードでワタ繰りができます。
木製ですが良く考えて作られています。
回すだけでこのように種が残ります。力の掛けようにコツがあるようです。 綿繰機の取り扱い説明書の部分、製作所が水海道町になっています。茨城県で作られたことが分かります。
拡大しましたので写真をクリックください
いす座布団(小座布団)45×45カバー付き
45×45の座布団には柄カバーがあります。今まで、お勧めしていなかったこともあり、そのままご利用の方が多いと思います。お値段は1枚1500円程かかりますがデザインの良いカバーがあります。リビングなどで使用の場合はカバーをおかけください。生地もしっかりして色もさめにくく丈夫です。


茶席の小座布団を10枚ご注文いただきました
ワタは薄めにいれました。春らしい柄にしました。どのように使われるのか解りませんが。右のように座敷に広げられるとそれなりに絵になるような気がしました。春らしい柄で仕事のやりがいもあります。


連続で人形用布団を注文を受けました。
やっと出来上がりました。お孫さん二人ようです。けんかをしないように2組です。
中ワタは本物の木綿ワタです。

眠り住まいの情報誌 ボンニュイ(日本寝装品研究所)さん
から 取材を受けました。
2013年秋冬号にその記事が掲載されました。
木綿ワタの布団を商いの中心に据えていることが、編集者の方の目にとまったとの事でした。
 ワタ布団への思いをいろいろお話しした後、仕事場を見ていただきました。
仕事場では機械を使った、ワタの精製過程を初めてご覧になったようで、来ていただいた甲斐がありました。当家のようなスタイルで布団を作っているところは少なくなっています。
 木綿ワタ布団は昔から当たり前のもの、それしかなかったこともあり、その良さを声高に叫ぶ必要はありませんでした。しかし現代ではそうはいきません。うっかりすれば『いまどきワタのふとん』などと言われてしまいます。残念ながらその制作から販売まで個人店が行っているため、大規模な広告ができません。ですからで当店のようないわゆる『ふとん屋』を取り上げていただけたことは大変ありがたい事です。木綿ワタの布団の良さを少しでも知っていただければ、最高です。
右の表紙の写真に記事をリンクしました。クリックしてください。

お人形の掛・敷布団の注文を受けました
お人形さんが足を上げた状態のため枕の特注をいただきました。
昔は女の子はお人形遊びは定番だった気がします。
その遊びの復活を願って、ワタは本物の木綿ワタで作っています。
小さな布団ですが風合いは化繊と違って、ずーと触っていたいふとんになります。不思議です。

今時、打直しする人なんて、いないでしょ!と言われるのですが・・・
そんなことはありません
左の写真は10月のある日の仕事。すべて打直しの布団の注文です。
ワタの良さを知っている方はまだまだ打ち直しを利用して快適な睡眠をとられています。
 基本的に配達前に良く干してお届けしたいので、秋はこんな風景に。

使わない着物で掛け布団を注文受けました   H25年9月
着物の反物(モスリン…純毛の生地)をお預かりして掛け布団にする注文を受けました。軽くて暖かな物が出来上がりました。
大きさも140×190、裏地を付けて少しワタは少なめに入れてあります。
柄はやさしいピンクの鶴の模様です。
肌掛けにぴったり。

失われていく寝具用語、まして現物となるともうありません。 H25年7月



 店頭でお客様から「かけふ」と呼ぶ商品があるか質問されました。
ご自身の講演の話の中に「かけふを掛けた」と話をするのにそんな物があったのかの確認をしたかったとの事でした。
現在ではかけふと呼ぶ商品はありません。しかしたまたま居合わせた義父が 明治生まれの母親が使っていた言葉と思いだしてくれました。
たぶんワタ入れの薄い掛け布団の事だということになりました。
 お客様としばらくおしゃべりして、お帰りになった後、「しきふ」という言葉を思いつきました。多分, 対になっている言葉です。このしきふはシーツとして商品があります。寝具が西洋化していく中でしきふはシーツが該当しましたが、かけふは該当する物がなかった。ということでしょう。写真は約90年前の掛け布団

着物の反物で敷きふとんを作る      H24年8月 
夏向きの生地でふとんを作る注文受けました。
軽くするため、綿はすくなめに入れました。
夏向きのざっくりした肌触りで、これも私が寝てみたい敷きふとんに成りました。

着物でふとんを作る   その2  H24年6月
引き続き着物のリホームの仕事をしています。生地の強さなどを心配していましたが、出来上がってみると着物本来の風合いもあり、使い心地はよさそうです。お客様の物ですが寝てみたい気がしました。
 軽さもあってよいものになりました。

着物で座布団を作る   H24年6月
着物で座布団を作る仕事をご依頼いただきました。
柄あわせ、生地のキズ、洗いはりのつなぎ、とうとう。
時間と労力が要ります。生地の弱さも説明して、出来上がったものがこの写真です。
 出来上がってみると、触ってみると、着物の持つ本来の良さが発揮され、良いものになります。出来上がりは作り手としても楽しみな一瞬です。
 このお仕事はふとんも作る予定です。

着物でふとんを作る  H24年2月
思い出の多い着物でふとんを作る仕事を御注文いただきました。柄あわせに2日、縫いに2日、生地の老化もあり苦労はしましたが、お客様が喜んでくださり、ホッとしました。
 生地が弱くなっているので、肌掛け布団にしました。せっかく直しても使えない物ではもったいないと、実用に成るものにしました。
 出来上がってみると、見ていてもきれいです。

遠州木綿でふとんを作る H23年
青梅の夜具地が入手不可能になってしまったので、お客様から遠州木綿でふとんを作る御注文をいただきました。着物を作ることが目的の生地ですが、青梅の夜具地より薄手でしなやか、思っていたより素晴らしい布団に成りました。木綿の生地の良さが感じられる布団です

和装のコート地で座布団をつくる H23年8月
お客様の注文で、和服のコート地で座布団を作りました。正絹で刺繍は24金です。
反物でも何十万かするもの、和服の価値は素人なのでわかりません。
ちょっとハサミを入れるのがためらわれましたが、出来栄えは最高の物に成りました。
納品までの間しばらく眺めさせていただきました。

地震の救援物資 H23年8月
我孫子市の社会福祉協議会を通じて敷き布団の支援をしました。
体育館の板の上で毛布で寝るのは厳しい、あるいは簡易な上下のふとんで熟睡できるのか?といつも思っていました。
先方からの2回目の要請品目の中に敷き布団とありましたので、こちらが考えていたとおりと思い支援を決めました。ただ通常の大きさでは持ち運びが不便と思い、大きさを小ぶりに、綿の量を半分にしました。布団側も古い在庫で許してもらうことにしました。中のワタは新しいワタ。8枚ほど準備しました、数でいえばとても足りませんが、また機会があればやりたいと思います。ビニール袋の中にはメセージも入れました。

東日本大震災H23年3月
3.11の地震で当家も店舗内・屋根に問題が発生しました。ゆれの激しさが改めて思い知らされました。  しかし茨城・東北の方々を思えばこれしきはまだまだ。どのようなことが出来るか、身の丈の出来ることを、顔から顔の見える事を時間がかかってもしたいと思っています。
 東北なので、簡易な布団でない本物のワタの布団が希望されているのではないかと思っています。
 ふとんのへ〜な話に書いたように、疲れた体をゆっくり休めるために、綿の癒し効果はきっと役に立つはずと思っています。
右の写真は直後の当家の3階の様子。

日本の綿花栽培
常陽銀行の機関紙の11月号の特集に真岡木綿の歴史と現状なる記事がありました。表紙の写真にワタ畑が使われています。
真岡市はかつて真岡木綿のブランドで、栽培から綿布の製造がおこなわれていた。という内容でした。
現在10アールの栽培をしているそうなので、機会があれば見てみたいものです。

当店のお宝
お客様から40年〜50年ほど前に当店でお配りした手ぬぐいをいただきました。
当店の過去が語られている貴重な物で、私も初めて見ました。
本当にありがとうございます。
 住所表示が無く、我孫子町役場前となっています。
現在の寿保育園当たりが昔の町役場だったのでこの方が解り易かったのでしょう。
 電話番号が210番とありますが、呼び出し電話からダイヤル式に変わった時
いったん電話局に返し、戻ってきたのが現在使っている0810番です。
 当店の商いの中心がわた・ふとん・蚊帳・毛布であったこと。
ワタがそのまま売られていて、お客様ご自身が自宅でわた入れをすることが普通だった。
蚊帳が商いの重要な位置を占めていたこと。
 店名も戸籍の古い漢字を使っていましたが、いつごろからか略字の辺を使うようになりました。

 これだけの文字情報でいろいろの事が思い出されました。
これを機会に当店の歴史も一ページ作りたいと思っています。

昔の職人さんの篤い思い
むかしの本格的なかいまきの布団のワタだけをお預かりしました。腰のある本物のワタをたっぷり入れた、分厚いものでした。敷き布団に打ち直しをして納品しました。さらに注文をいただき、最後の納品を済ませたときに、少し立ち話をさせていただきました。

「この前のかいまき布団は良いワタで作られていましたね。」

「わかりましたか、ほとんど使っていなかったから。あれはね・・・・。」

お客様の顔が明るくなり活き活きと話を聞かせてくれました。
そのかいまき布団は昭和8年6月につくられたもの。布団の側をはずすときにメモがでてきたそうで、どの様な布団の組み合わせで、どんなワタで作ったかがきちんと書かれていたとのことでした。

「私の婚礼のふとん。」
「その布団屋さんは親戚だったの。ほんとうにいい物を魂を込めて作っていたのよ。ワタにこだわり、仕立てにこだわり。」
「でもね戦病死してしまったの。」

「そうですか。」
と言いながら熱いものがこみ上げてきました。76年の時を超えこの立ち話の一瞬に見たことのない一人の布団職人さんとお客さんと私の心が通じ合ったような気がしました。

私が本当に良い物と思わなければこの出会いは起こらず。良い物と思わせた布団を作った昔の職人さんの心粋があったからこそ起こった出会いでした。

中のワタなど見えないのだから、使う人の事など、どうでもいいと作られる布団。
材料から吟味して、使う人を考えて作られた布団。
この仕事をしているので、ふとん側をはずしてワタの様子を必ず見ます。
その違いがあまりにも大きすぎて、絶句してしまうこともあります。
昔からふとんは必ず作ったふとん屋に持ち込まれ、打ち直しをするものでした。したがって変なワタを入れれば当然その時に問題になりました。ごまかしのない仕事をするのが当たり前だったのです。
安さのみを売りにする、使い捨ての時代になり一変してしまいました。

ついにTVにふとん登場

NHKの番組・劇場への招待で浅草物語が放送されました。

 放送日を知らなかったので、当日寸前に親戚より連絡されTVをつけました。
当然、ストリーを楽しむよりふとんがどのように使われているのかが一番気になりました。
左の写真の紙包みは中央の写真でも型崩れすることなく、しっかり立っています。
仕立てをする動作もさすがに役者さん、さまになっていました。
ただやはり何度も道具として使われているので、
せっかくの婚礼布団に張りが無くなっていたのが残念でした。

 放送日がわかっていたら友人や親戚中に触れ回ったのにと、それだけが残念でした。
夜遅い放送だったのですが、見ながらついには話の中身に引き込まれ、
またビデオに録画することを忘れてしまいました。


NHK 生活ほっとモーニング「この人にトキメキ」 奈良岡朋子 H20年3月17日
奈良岡朋子さんのインタビューの中で、現在公演中の浅草物語の映像がTVに取り上げられました。劇中で当家で納めさせていただいた布団が写りました。思わず目が点になり、夫婦で顔を見合わせました。たったそんな事なのですが、当家では大騒ぎ。

 大滝さんが奈良岡さんにかいまき布団をかけます。すると奈良岡さんが一言「あらいい布団ね・・・。」この場面が放送されました。



劇団民芸の舞台道具のふとんを作りました H20年2月
小道具で使われるのですが、傷みがあるので手直しと
役者さんが持ち歩きに重いので軽くする事を注文されました。
前回この作品をを観劇しているので、使われる状況が少しはわかり、
手直しにも少し工夫をしました。写真ではわかりませんが紙包みも二重にしてあります。
この仕事をしてから、TVや演劇中の小道具を今までと違った目で見ています。


ドライフラワーのワタ
 娘がもらってきた花束の中にワタが入っていました。
針金で茎をつくり、束ねてありました。これはまねのできる利用法です。
国内に産地があるのかな?と思っていたところ、2008・2・1の朝日新聞に2000年ごろから生花として イスラエルからの綿花の輸入が増えたことが記事になっていました。
実が割れても落ちてしまわない種類だとこんな利用法があります


ふとん屋 冥利 H19年4月
 連休を前にふとんの打ち直しの注文を受けました。ふとんのお預かりに伺った時嬉しい話を聞きました。娘さんが里帰りするので、それまでに直したいとの事でした。

 前回ふとんを直した時に、朝に娘さんがなかなか起きてこないので、どうしたのかと思っていたところ、「ふとんがあまりに気持ちがいいので、熟睡してしまった。」との事でした。

しかも帰るときにそのふとんを気に入り持って帰ってしまったとの事。

 娘さんがどのようなふとんに寝ているのかわかりませんが、実家に戻って久しぶりに綿のふとんに寝て、その良さに気付いたようです。

 しかもお母さんは日に干して待っていたとの事ですから、お金では買えないお母さんの気持ちも娘さんは気付いたのではないでしょうか。

 日に干した、綿ワタのふとん、若い人にも是非使っていただきたいものです。



ワタの持つ不思議な魅力

昨年収穫したワタから、4月に蒔くために種を取りました。夢中で綿繰りをした後、手のひらいっぱいのワタを触りながら、なんとも言えない不思議な心地よさを感じました。
どこまでも柔らかな、手のひらでいつまでも触っていたい、そんな気持ちになりました。天然繊維のワタには人の気持ちを癒してくれる、不思議な力があるのかもしれません。
このふわふわな感触をぜひお試しください。小さなお子さんが居れば大喜び間違いありません。
ぜひ多くの方にこの感触を体験していただきたいものだと思っています。


綿ワタのふとんがマスコミに取り上げられています
NHKゆうどきライブ (H19年4月6日)見直される綿ぶとん…東京江東区

 内容はワタの布団はゴミにならず、打ち直しができコチコチの布団がふかふかになります。というものでした。東京では定番的に江東区の布団屋さんの組合が新聞やTVで取り上げられています。
都内では粗大ゴミのナンバー1が布団なので、それを少しでも減らそうと取り組む布団屋さんが注目されているのです。

 バブルの頃布団屋が打ち直しをやめて、既製品の羊毛混の布団を売り始めた頃から、ゴミの問題が浮上してきました。

 打ち直しを取り上げてもらうのは、同業者として嬉しいことなのですが、ゴミ減量を本当にNHKが取り上げるのであれば、ワタの布団を使うことを訴えなければだめで、公共放送ではそこまで望めないのでしょうか。

 数多い布団屋を考えればそれは偏った報道にはならないと最近思うのです。またそのことで納豆が店頭から消えたようなブームにはならないと思うのです。しかし確実にごみの減量には効いてくると思います


ごみ減量リサイクル推進事業所
ワタのふとんはごみ減量の優等生、ふとん屋の存在がそれを可能にしています。当店も認定されています。

 いわゆるリサイクル(不特定多数の人の使用した物の再利用)とは完全に異なりますが、使う人が使いたいと考える間はふとんはズーット使うことが出来ます。それを可能にしている、打ち直しの技術はもっと世間に認知されて良い物と思っています。

 市の担当の方と何度も話し合い認定していただきました、ふとんの打ち直しを理解してもらうには結構大変でした


手作り散歩市 H18年10月21日
店頭に現れた、寝相のよくなる枕 

彫刻家の中津川さんの作品が店頭に置かれまた.

このような試みは初めてのことなので、どのようなことに成るのか不安でいっぱいでしたが、その作品が置かれる事で、店内が一新しました。シンプルなケヤキの作品がそうさせたのでした。売り場作りは素人泣かせ、今回の事はよい意味で刺激になりました。

ありがとう‘寝相のよくなる枕‘。今年は準備不足でしたが、次回は来店してもらえるような工夫をしたいと思っています。 


着物をふとんの側に

最近着物をふとんに利用される方が多くなりました。使わないのはもったいないが大きな理由です。欠点(絹だと弱い)もありますが風合いはGOOD。作り手の負担が大きいのですがお客様の喜ばれるのを見るとやって良かったと思う仕事です。

 念のため、化繊の着物はお勧めできません、滑って使いずらく、むれてせっかくの綿ワタの良さを無くしてしまいます。
ご注文の場合は布団側に縫ってください。ワタいれはいたします。


新綿入荷
お米やワインのように騒がれませんが、今年も待ちに待った新綿がインドから到着しました。今年の綿の出来具合はどうなのか。 荷をほどく時はワクワク・ドキドキなのです。 ワタも作物なので出来不出来があります。 今年のワタは完熟した腰の強い良い物でした。 良いふとんが出来そうで楽しみです

商DO(あきんど)マップ
ここ数年の商店の置かれた環境は厳しい物があります。大型店の攻勢におされにおされ、時代の流れに飲み込まれそうな状況です。
そんな中で我孫子の商人が自慢できる物が、この商Doマップです。第2号の発行が刺激になり、
近在の印西・白井・取手・・・が同じスタイルで発行しました。
 この商Doマップの良いところは、継続できること、発行にあわせて商売に工夫が出来ること、お客様が保存しておいてくれること、有形無形の良いところが沢山あります。
工夫の余地はまだまだあります。小さなスペースですが個店が工夫すれば中身の濃い読み物にもなります。
 他の市町村との一斉発行、相互乗り入れ、隣町のお店の情報はお客様にとっても楽しいのではないでしょうか。
我孫子の商人のささやかな取り組みではありますが、夢は膨らみます。

80年前のふとん (1924年頃の婚礼のふとん)発見
叔母の姑が婚礼の時に持ってきたものとのことでした。サイズが小ぶりで使えないので、
打ち直しをして、ワタのみ利用することにしました。

 ワタは自家で採った物で、客用であまり使ったことも無いのできれいなものでした。
ただし中心には黒くて使えないワタが入っていました。ワタは貴重品でしたので仕方がありません。
(黒さから考えると、江戸時代のものかもしれない。)

 柄はモダンな感じがしました、生地もしっかりしていて処分をせずに保存することにしました。

 日常で使っている物は意識的に残さないと、どんどん失われていってしまいます。
特にふとんは博物館でもあまり目にするものではありません


当店のふとんがついに舞台の上に H16年11月
劇団民芸の12月公演「浅草物語」三越劇場の舞台に当店のふとんが登場しました。
ふとん屋が舞台なのでふとんの仕立て方も当店の職人さんが指導に出向きました。
写真はその時の様子と舞台道具のふとんです。日色ともゑさんに会えたのが感激でした。
若い劇団員の方も混じり、和気あいあいの布団仕立てとなりました。
ふとんが演技するわけでもないのに、なんとなくハラハラ・ドキドキです。

浅草物語を観劇しました H16年12月
舞台の小道具に注目している客も珍しいのではないのでしょうか。とにかく布団が気になりました。
うれしいことに劇の初めから注目されて登場するのです。日色ともゑさんが布団を抱えて登場します。
また中ごろには大滝秀治さんがかいまきに包まり、最後にまた恋の小道具として登場します。
ハラハラ見てきましたが、ストーリーの大事な小道具として使われているので、大満足でした。
奈良岡朋子さんのお酒に酔った演技は白眉でした。
また子供を思う母親の切ない思いにほろりでした。
演劇を見ることなど無かったので、新鮮な感動を持ち帰りました。

祝・ふとんプロジェクト ついに完成
ついにふとんプロジェクトのふとんが完成しました。

完成間近と聞いてわくわくしていましたが、3月25日完成したとのことです。このプロジェクトは小学生が自分たちの手でワタを作り、保健室にふとんをプレゼントしようという壮大な計画です。右のに写真がそのふとんです。とっても立派な物で、たいしたものです。こつこつ貯めて出来た純国産です。日本に一つしかないふとんです。5年間ご苦労様でした。このふとんは10年・20年と伝わっていくことでしょう。ふとんプロジェクトのアドレスはリンクのページにあります。近くの学校でも同じことやらないかなーと思っています。


夢夢夢プロジェクトの出来たわけ

奈良の小学校の先生から一通のメールをいただきました。
タイトルは ふとんプロジェクト 自分たちの手でワタを作り、保健室にふとんをプレゼントしようと言う壮大な計画です。 自分でワタを育ててはいましたが、ふとんを作ろうなんて全く思っても居ませんでした。
このメールに背中を押されて、私のページが生まれました。なかなか根気の要ることなので、ページの中で紹介したお客様だけですが、
次にお声を掛けてくれる方を待ち続けて居ます。 なおふとんプロジェクトの方は予定より早く完成しそうで、こちらの方も楽しみです。 指導なさっている石戸秀利先生の重厚な指導記録と緻密なワタに関する資料は脱帽です。また全国のふとん屋さんの応援メッセージも同業者として暖かい連帯感を感じます。ふとんプロジェクトはリンクのページからご覧ください。


青梅の夜具地はふとん側としては最高

3月になり日差しは、すっかり春になりました。まだ毛布を手放せんが、掛けふとん1枚で寝られる頃が、一番良い季節。春眠暁を覚えず、の言葉もあります。本当は寝ることは楽しみなことのはず、なのに・・・・・。どのくらいの人が、寝ることに関心を持っているでしょうか 日に干したふとんだと寝るのが本当に待ちどうしくなります。ぜひ経験のない方は、木綿ワタのふとんでお試しあれ
写真は青梅の夜具地で作った敷きふとんです。生地の空気の通りが良いので最高の敷きふとんですこれでないと駄目という方もいます


司馬遼太郎の色紙
司馬遼太郎からの手紙・(朝日新聞社)のなかに垂涎の色紙を見つけました。
宇和島市の石丸ふとん店さんがもらった物です。
 解説には石丸家が綿屋だったと聞いて書いた物とあります。
 ふとん屋ならぜひ欲しい色紙です。
初めて見たときの感激は忘れられない物がありました。
 司馬遼太郎に励ましてもらっているような、そんな内容です。
大げさな言い方をすれば、
日本中のふとん屋にエールを送ってもらったような、そんな気がします
      木綿こそ 木綿こそ 木綿こそ もめんこそ
          司馬遼太郎

父の仕事

近くの小学校の保健室のふとんを頼まれました。

注文は丸洗いでしたが、ワタを見て、打ち直しをすることにしました。

我が家の仕事はふとんの柄やとじ糸やなかワタを見ればすぐにわかります。

  このふとんは20年以上前の父の仕事でした。  しっかりした腰の張りのあるワタ。

打ち直しをしながら、「いい仕事をしているね。」と思いました。

 父が亡くなり、このような形で父親に会えるとは思っても居ませんでした。

自分の仕事にもそんな出会いがあることにうれしくなりました。

  本当にささやかではありますが、良い物(良いふとん・良いワタ)を作り、残した父の仕事。

時々出会いながら、自分も負けないようにしたいと思っています。

旅先の寝具について

旅先でふとんが気になり眠れない事はありませんか?

 仕事がら旅先の寝具は気になるもの、ここ数年で旅館やホテルの寝具は管理のしやすさからか、
羽毛ふとん (貧相な) と羊毛ふとん (あるいは羊毛の固ワタ入りのマットレスのような物) になってしまいました。

 蒸れて暑かったり、寒かったり、それを補うための空調設備のため、喉がやられて、
旅先での目覚めの悪さはいつもの事とあきらめています。
どんなに外観がきれいに出来ていても、どんなに食事が豪華でも、
こと寝具の事となると、その貧弱さには呆れてしまいます。
まともな寝具に出会うことはないのではないかとさえ思っていました。

 ところが最近ぐっすり眠れた宿に出会ったのです。
プロのさがといいましょうか、あまりの嬉しさについ例のごとくふとんの点検をしてしまいました。
それは勿論、もめんワタのふとんでした。めずらしさと嬉しさで、フロントで聞いてみたのです。
意識的にもめんワタのふとんを使っているのかと。残念ながら、
ふとんについてそんなに意識していないとのことでした。
たまたま古いふとんが残っていたぐらいのことでした。
寝具に対する意識の低さを改めて認識したに過ぎませんでした。

 旅館、ホテルの良さの物差しにはいろいろあるのでしょうが、
ぜひ快適なねむりも入れて欲しいのです。(寝具ではない。)高級な寝具を入れる必要はないのです。
のりの利いたさっぱりしたシーツと掛けカバー、そして本物のワタの敷ふとん、これでいいのです。
掛けふとんまで贅沢は言いません。

こんな旅館もあるのですね

 同業者にこんな話をしているときいい話を聞きました。
家族旅行をしたさい、朝起きた時 「ぐっすり眠れましたか」「ふとんはいかがでしたか」
と聞かれたそうです。
どうしてそんなことを聞くのかと思ったら、前日に日に干してお客様を待っていたとのこと、
最高に感激したとのことでした。

 これは凄い宿だと一同感心してしまいました。
ふとんを干すのは大変な仕事、多分日本中の旅館がその手間を省いてしまったことをやっているのですから。ふとんにそんなに関心を持っている旅館にぜひ泊まってみたいものだという話になりました。

 実は我がお得意様にも凄い人がいます。

 自宅にお客様が泊まられる時には、2〜3日前からふとんを日に干し、準備なさるそうです。
そうして次の日の朝を楽しみに待つそうです。ほとんどの方は次の日、「いつになく気持ちよく眠れた。」
と感謝されるそうで、その一言に、「やった。」と小さなガッツポーヅをするとのことでした。

このこころくばりは真似できないことだなと思いました。
そして、しばらくしてそのふとんを作っている者として、こんな嬉しい話はない、
これが仕事冥利というのだと思ったのです。

 ふとんにもっと関心をもってください。

 ふとんを気持ちよく使っていただくために、くどいのですが日に干して使っていただきたいのです。
共稼ぎでその時間がない、その現状を商売に利用したのが、「羽毛、羊毛は日に干さなくて良い」
というコピーだったのです。
現実にはカビの生えた寝具に寝るという若い人を増やしただけでした。
たとえ短時間でも良いので寝具は日に干して使う物だと考えていただきたいものです。

 そして干されてその良さを充分に発揮する寝具こそ、メンワタの寝具なのです。

 旅先で眠れない経験のある方、宿のアンケートにぜひ一言書いてください。
更に同感していただけるなら、敷きフトンをもめんワタのふとんにしてみたらと書いてください。

ワタにまつわる話

店頭にワタを植えたプランターをおいて置くと、お客様がいろいろな話をしていきます。昔は我孫子周辺でも畑にワタが作られていたこと、子供の頃見たことがあること、不思議そうにこれは何ですかと聞かれることもあります。

 現在日本ではワタは作られていません。

 観賞用に栽培される程度で、オーストラリア、アメリカ、インド(ほんの少し)からの輸入品です。しかし100年ほど前までは全国で盛んに作られていた作物なのです。1896年の綿花輸入税撤廃のため、海外から品質の良い物が輸入され、現在では忘れられた作物になってしまいました。

 ワタは大切なもの、そう簡単には捨てられない。

 昔ワタは着物、反物に加工されていましたので、ふとんのワタとして利用される事は実はまれだったのです。
したがってワタは大切なもの、そう簡単には捨てられないもの、という意識は受け継がれています。
特に戦後の物のない時代に婚礼布団を新調された方は、お母さんが苦労して作ってくれた物、
粗末には出来ないという方が多いのです。

 若い方の中にも宝のふとんを持っている人がいました。

 ふとんの打ち直しの注文を受けた時、「このふとんのワタは自分の家で採ったのよ。」
と言われ驚きました。お祖母さんが孫が生まれたので、嫁入り日のために、毎年毎年少しずつためてくれたのだそうです。
写真のワタの塊は4〜5g、日本では一本の木に6〜8個つけば上出来でしょう。
大きな畑には作れなかったでしょうから、40〜50本作ったとして960g〜2000gほどの収穫だったでしょうか。
掛けふとんと敷きふとんで10kgは必要ですから5〜10年程かかったのではないでしょうか。

 今ではビックリな話ですが、おそらく2〜3世代以前は当たり前の事だったのでしょう、
ふとんはお金には代えられない物、大切な物として受け継がれてきたのだと、
このとき本当に良くわかったのでした

自分の仕事の今さらながら
90才を過ぎたお得意様が、自分の妹さんに新しいふとんを注文してくださいました。
妹さんは農家なので野菜を持ってきてくれるそうで、そのお礼とのことでした。
配達先を教えるために、車の隣に乗っていってくれました。  
妹さんは配達される事を、楽しみに待っていてくれました。

 それはそれは喜んでいただき歓待されました、座敷に上がりお茶をいただき、お話をしました。
「こんなふかふかのふとんで嬉しい。今晩寝るのが楽しみだ。」 「新しい布団なんて初めてだ。」・・・
 こんなに喜んでいただいて、新しいふとんがはじめてなんて、大げさな言い方をしてくれて
、とこちらも喜んでいたのです。
お得意様のお姉さんは私が理解していないことに気づき、
「物のない時代に嫁に来て、そのとき新しいいふとんを作って以来だと言っているんだよ。」
と教えてくれました。 
嫁入りしたのは20代それから逆算して・・・・・60年ぐらい…打ち直しをして使っていたそうですが、
それにしても何と長い事でしょう・・・・・。  

 他のどんな生活用品でもこんなに長く使える物があるでしょうか。
ふとんは長く使えるとわかってはいましたが、ここまでいけるか、と思い知らされました。
いまさらながら自分のしている仕事のサイクルの長さに唖然としてしまいました。   

しかし外国でも羽毛布団は祖父母が使っていた物を、直して使うと言う話を聞いた事がありますから、
驚く事ではないのかもしれません